27歳、ベトナムでの勤務を経て「こうありたい」という理想の理容師に!

2019.01.05

 

銀座マツナガは、国内に19店舗あるほかベトナムホーチミンとドイツに支店を構える理髪店です。

東京駅店に勤務する小山大器さんは、現在27歳。入社4年目にベトナムに渡り、2年間現地で理容師として働いた経験があります。理容業界ではめずらしい海外勤務の体験談や会社員として海外勤務できることのメリットについて伺いました。

 


 

『日本式』を押し付けるのではなく、現地のライフスタイルに合わせた工夫を

 

ベトナムでの勤務への打診は、社長から直接ありました。僕の場合、実はあまり海外に興味があったわけではないのですが、ベトナムに出店への思いを語る社長に共感し、ぜひということで決意しました。ベトナムは今、伸びている国なのでその成長を身をもって感じたいというのもありました。

 

日本とベトナムでは、当然、常識のマナーも違います。日本人の僕らが『日本式』や『日本のホスピタリティ』を強調したところで、ベトナムで受け入れられなければ意味がありません。

まずはベトナム人が好きなスタイルやカラーの色味をすごく勉強しました。ベトナムでは最低賃金の上昇に伴い、ファッション感度もすごいスピードで上がってきています。以前は東南アジアといえば赤系のカラーが定番でしたが、ほかのビビットカラーやアッシュっぽいカラーも流行しています。

特徴的なのが、ベトナム人はバイク移動が多いので、みんなヘルメットを被ります。なので、男性は日本人みたいにワックスをつけてフワッと髪を立たせるようなスタイルはあまりしないんです。ヘルメットをかぶるとつぶれてしまいますので。女性のスタイルも同様で、例えばロングの方がパーマをかけるときヘルメットでつぶれてしまう根本にパーマをあてるのではなく、毛先の方をかけます。ライフスタイルに合わせた髪型というのには常に気を遣っていました。

 

それは、現地スタッフの教育でも同じです。ベトナム人のスタッフは年齢も経歴もさまざま。理美容学校を卒業した子もいれば、大卒の子もいる。まったく違う職業から転職したかたもいます。日本ではあまり考えられませんが、ベトナムでは免許がいらないので、理容師という職業はとっつきやすいんでしょうね。技術に関して本当にゼロから教えるだけでなく、日本語がまったくわからない状態でスタートすることも珍しくありませんでした。

やる気があるスタッフは成長も早く、半年くらいでシャンプー、肩のマッサージ、シェービングを覚えます。カットに入るのは早くても2~3年目なので、日本と同じくらい。ただ、ここから先の考え方もベトナムならでは。

日本だと、カットができるようになり、お客さまをつけてゆくゆくは独立…というふうに先を考えて働く人が多いですけど、ベトナム人はそうではなく、「カットはできるようにならなくていいので、シャンプーなどのアシスタント業務だけやりたい」というスタッフもいます。マツナガの場合、現地では、アシスタントでも大卒のオフィスワーカーより給料がいいんです。なので、彼らの適正ややる気に応じて、こちらもどこまで力を入れて育てるのかというのは、日本以上に気を使いましたね。

 

 

現地スタッフの技術が日本のクオリティに!

 

 

語学面での苦労も多少はありました。ベトナム語は難しいので、生活に必要な単語はベトナム人のスタッフに教えてもらいました。ただ、ホーチミン市内は英語が通じるところも多かったです。

ベトナムのマツナガでの料金設定は日本の半額ほどですが、ベトナムの理髪店としてはハイクラス料金なので、お客さまも英語を話すかたがほとんどでしたが、ベトナム語で話されるお客さまはやはりスタッフに通訳してもらいました。たまに「担当は君なんだから、通訳なしで君と話したいんだよ」というお客さまもいましたが、英語だったら「どれくらい切りますか」など簡単なことは話せたので、それで対応していました。

 

自分自身がお客さまを施術することでいろいろな経験を積めるのも楽しかったですが、一番うれしかったのが、何も経験のないところからスタートしたベトナム人のスタッフが施術をしたときに「あの子うまいね」とお客さまから褒めていただいたとき。お客さまが『日本の理髪店』のクオリティを期待していらっしゃっている中で、ベトナム人のスタッフがそのクオリティに達していると認めていただけたのはうれしかったですね。

 

 

社員として海外勤務できるのは他の理髪店にない魅力!

 

 

2年の任期を終えて、今年2月に日本に戻ってきましたが、ベトナムでの経験は本当に得難いものだったと思います。

今は東京駅店に勤務しているので、外国人のお客さまも多いんです。言葉が通じないと萎縮してしまうスタッフもいる中、スムーズに接客できるようになりました。

施術の面でも、日本のオーソドックスなスタイルに、「外国人のお客さまだったらもうちょっと刈り上げるスタイルのほうが好みかも」など考えながら提案できるようになり、いろいろな面でキャパシティが広がったと思います。

 

今は、「海外勤務の経験を若手に伝えてほしい」という要望に答える形で、興味があるスタッフに、経験談や身につけたほうがいい技術をアドバイスして海外に行けるようになるためのサポートをしています。

 

実は、マツナガには、海外勤務を志望して入社してくる子も多いんです。理容師として海外で働ける会社ってあんまりないですからね。

もちろん、個人でベトナムで美容室理容室を開業している日本人もいますが、資金のことを考えず、手続きについても会社がサポートしてもらえます。会社員として思い切り挑戦できるのはメリットですね。

 

今、27歳ですが、この年になって『こうありたい』という生き方を見つけられた気がしています。いろいろ経験させてもらって、自分のことがよりわかってきました。調子に乗っていると思われるかもしれないけど、後輩たちについ言っちゃうんです。「俺みたいになれ! どんどん挑戦して、どんどん働こう! 稼ごう!」って。今はとにかく仕事が楽しいので、後輩たちにも、同じように楽しんでほしいと、心から思っています。

 

プロフィール
ヘアーサロン銀座マツナガ東京店
小山大器(こやまたいき)

北海道出身。
北海道理容美容専門学校卒業後、銀座マツナガに入社。入社4年目にベトナムに渡り、2年間現地で理容師として働く。
現在は、東京駅店のチーフとして売り上げを伸ばしながら、海外勤務の経験を生かして後進の教育にも力を入れている。

 

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