オーナーになったからこそわかる売れるスタイリストを育てる秘訣

2019.03.05

 

現在32歳の中川マサトさんは、札幌で6店舗、池袋で1店舗のヘアサロンを経営するオーナーです。アネモネに入社してから6年で7店舗のオーナーになった中川さんは、優秀なスタイリストを育てる教育者でもあります。稼げるスタイリストを育成し、オーナーとして成功する秘訣はなんなのか、伺いました。

 


 

オーナーに必要なのは一人ひとりの個性を見極める力

 

地元の札幌から上京して就職したサロンでスタイリストになったあと、業務委託で働けるサロンということでanemoneに入社しました。入社後は、トッププレイヤーとして第一線で働きながらも店長として経営にも携わる中で、自分はプレイヤーとしてよりも、オーナーとして店の売上を伸ばす方が得意かも、と気づいたんです。それで26歳くらいのときにオーナーになったのですが、人を育てたり経営に注力した方がプレイヤーだった頃よりも結果を残すことができたんです。

 

オーナーになってからは、売上を伸ばすこと以上に、スタッフに何をしてあげられるかということを常に考えるようになりました。例えば、スタッフが働きやすい環境を作るのは当たり前ですが、美容のこと以外にも、礼儀やお金のことなど、人が生きていく上で大切なことを教えてあげたいと思っているんです。うちでずっと働いてほしいという気持ちは実はあまりなくて、スタッフが独立するときに、美容師としても人としても成功できるように力を貸してあげたいんですよ。

 

独立するにあたっては、人間的な面も金銭的な面もすべて大事だと思いますが、どれだけ人の個性を見る目があるかが大事だと思います。違う個性をもったスタッフ一人ひとり、それぞれにしかできないことがあるはずなんです。それを見極めながらバランスを取ることが、スタッフの、そしてオーナーの成功につながると思っています。

 

口出しはぐっと我慢 スタッフを成長させるのは「見守り」の姿勢

 

 

 

「人に任せるのが不安」というオーナーのかたは多いかと思いますが、僕の場合はスタッフにはほとんど口出しはしません。サロンワークをする中で、スタッフもわからないことがあったりするとは思うのですが、こちらから先回りして何か言わないようにしているんです。というのも、今の若いスタッフは、自分たちが同じ世代だった頃に比べてリアリストだし、目標ある子が多いように思うんです。

 

ただ、それに対してどうしていいのかわからないだけ。そこで「導いてあげなきゃ」とか「失敗しないようにフォローしてあげなきゃ」とか先回りして手助けしてしまうと、自分で考えて行動するということがなくなってしまうと思うんです。疑問や課題にぶつかったら一度自分でよく考えてみて、ときには失敗してみること、そして周りはその試行錯誤を見守ることがスタッフの成長に繋がると思います。

 

自分が期待した以上の結果を残すには、見守ることが何より大事です。「こうしたほうがいい」とか「あなたのやり方は間違っている」とかいろいろと言うことは簡単ですが、自分でやってみて失敗したという経験がないと、本当の意味での成長できないと思うんです。その失敗でそのときは失客したとしても、先行投資だと思っています。本当にスタッフが成長していれば、何年後かに何倍にもなって返ってきますから。

 

 

うちで働いているスタッフの中には、ほかのお店でちょっと伸び悩んでいた子や、自分の仕事ぶりに自信を持てない子もいるんです。そういう子を少しでも出世させてあげたいという気持ちもあります。一番大切なのは、自信をもたせてあげること。その子がどれだけ必要とされているかをわかってほしいです。僕の場合は、プレイヤーより経営が向いていたように、人には得意なこともあって不得意なこともある。いいところも悪いところもある。みんなそうなんだと認めることから働きやすいお店づくりやスタッフの教育がはじまると思っています。

 

当然、店長などの管理者の育成には、こうしたスタイリストの教育とは別の視点が必要です。管理者に一番大切なのは<人柄>というのが僕の持論。ほかのスタッフが「店長のためにも頑張ろう」と思うことが大切です。具体的には、人に厳しくもできる人がいいですね。ただ、厳しい分、その何倍も愛がある人でなくてはいけません。厳しくしたあとにも、「この人は絶対助けてくれる」という優しさがあれば、人はついてきやすいのではないでしょうか。

 

こうした方針の中で、うれしいことに自分より優秀なスタッフをたくさん育てられたことは、誇りに思っています。現在全店で売上一位のプレイヤー兼フランチャイズオーナーもそのうちの一人なんですよ! 本当に、スタッフには美容師としても人としても自分なんかよりすごい人がたくさんいるので、僕は何もやることがないくらいです(笑)

 

「自分がやった方が早い」「自分がやらないと売上が上がらない」と一人ですべて背負い込んでしまっているオーナーさんも多いかと思います。でも、自分にできないことは絶対にあると思ってみると、かえって気持ちが楽になりませんか? それを受け入れられると、人の可能性を信じて任せることが少しずつできるようになるかもしれません。自分もスタッフも成長できて、店の売上を伸ばすことができたら、これ以上いいことはありませんよね。

 

プロフィール
little ikebukuro/プロデューサー
中川マサト(なかがわまさと)

札幌の美容専門学校を卒業後、都内のサロンに就職。anemoneに入社後は経営者としての頭角を現し、6年で7店舗のオーナーに。現在は札幌と東京を行き来しながら後進の教育に力を入れている。

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